愛の歌(チェロのための)
現代的ではありますが、メロディと形式のある調性的な小品です。
伴奏は、ピアノ版と小管弦楽(一管編成)版を作りました。
題名の愛は、”惚れたはれたの”ではなくて、もっと普遍的なほうです。
形式
2主題を持つソナタ形式です。
展開部は、第一主題を使った速いテンポのロンドになっています。
曲はシ(H)を中心音として第一、第二主題はソナタ形式の調関係で作られています。
また旋法は、第一主題は短調風、第二主題はミクソリディア
最後のコーダでは完全に長調になります。
一管編成(木管各1 + Horn2 + 弦5部)のオケ伴奏版を作りました。
様式
いろいろな様式が折衷しています。
全体からいうと、100年ぐらい前のスタイルかもしれません。
現代音楽でも、そろそろ調性的なものを書いてもいいと感じ作りました。
演奏の手引き
演奏記号はほとんど書いていませんので、自由に弾いてください。
特殊奏法などの現代的なものは一切使っていません。
現代音楽は弾くのが難しいものが多いので、無理せず弾けるように心がけました。
作品データ
2016年 作曲
昔に書いた室内楽版「愛の歌」の、モティーフを使って新しく作りました。
室内楽版は、音が多くて、ぱっと聴くと全くの現代音楽なんですが、
作っている時は、ほのかにいろいろ調(中心音)を意識してましたので
今回は、それをさらに意識して、思いっきり調性的にしてみました。
2021年 室内楽版改訂
元になった、室内楽版「愛の歌」です。
音が多すぎるところや、余計な部分を削除しました。
曲としては全体的に取り留めがなく(3部形式)、
武満徹、O.メシアン、H.デュティユの影響が丸出しです。
調性的に直した版(2016)のほうが、はるかにいいと感じます。
音源は編集しミキシングし、聴きやすくしました。
ただ、Celloのフラジオレットと、ClarinetのFlatterは音源がないため、
似たような音色などで、ごまかしています。