にわとり
金子みすゞの詩による女声3部合唱(ソプラノ、メゾソプラノ、アルト)です。
形式
冒頭8小節を主題にした変奏曲です。
変奏は5つあり、最後に3番目の変奏が繰り返されます。
変奏を多くするため、5番目の変奏("草の茂った...")の前まで, 詩は2回づつ繰り返しています。
合唱の変奏曲は珍しいので、歌というよりは、
器楽のように聴いてもらえると、わかりやすいと思います。
テーマのモチーフは下降音階で、これが繰り返されるので(Bassではありませんが)
パッサカリアとかグラウンドといった感じにも近いかもしれません。
クープランのやっている”鶏の鳴きまね”(ko-ko-ko-ko)も目立たないように使っています。
ピアノの同音の連打は、この鳴き声のモティーフです。
様式
単純な和声課題のようなテーマですが、和声付には少し癖を付けました。
変奏の様式はいろいろで、全体としては様式は混合しています。
好きにつくったというのが本当のところです。
演奏の手引き
特にありませんが、ピアノは難しいです。
作品データ
2014年 作曲
好きな詩であって、曲全体のビジョンができていたので、4日ぐらいで作れました。
後で見直すと、厳しくぶつかる音がたくさんあり,
曲想も、ちょっと暗いです。
音源は、全パートいつものデフォ子さんです。
2019年 改訂
ピアノが難しかったので,弾きやすく修正しました。
2019年6月
聖心女子大学グリークラブ第58回定期演奏会にて初演。