立原道造の2つの詩
立原道造の詩による歌曲です。
- 雨の言葉
- 浅きはるに寄せて
イタリアやドイツの歌曲のようにおおらかに歌う歌曲もいいですが、
日本語には、日本語固有の歌わせ方があると思いました。
言葉が聴こえてこなくては、言葉のもつ力を引き出せませんから、
”語るように歌う/歌うように語る”というやり方で、
言葉のイントネーションに従って作曲しています。
形式
もとの詩、そのままの形です。2曲合わせて、緩 ― 急になります。
様式
2曲ともに同じ様式で、5度/4度音程で作られる和音や旋法を意識して使っています。
調性的なカデンツ(Ⅴ-Ⅰ)はありません。(意図して避けています。)
演奏の手引き
「雨の言葉」は、詩句の区切りに従って、自然なフレージングをしてください。
「浅きはるに寄せて」は、最後のほう(38小節目)に
記譜されたゲネラル・パウゼ(G.P 休みになる部分)があります。
G.Pは、はっきりと無音にして、続く部分をppでぴったり初めると効果がでるでしょう。
作品データ
1986年 作曲
日本語に音をのせる、こういったやり方については、三善(晃)さんの合唱曲から
多大な影響を受けています。