Sonata for 4 hands(ピアノ連弾のためのソナタ)
疑似バロック風の3楽章のソナタです。
形式
1楽章は単一主題のソナタ形式で、展開部の代わりにフーガが置かれています。
2楽章はコラール変奏曲です。
このコラールは伝統的なコラール旋律ではなく自作です。
ストラヴィンスキー「兵士の物語」のコラールと同様
わざと調性的に正常な和声付にならないように書いています。
3楽章は、ロンド風ソナタ形式で、展開部にフゲッタが置かれています。
様式
全音階的なぶつかりや、複調(長調と短調の同時使用など)を使った
ポリフォニーで書かれています。ストラヴィンスキー丸出しな感じです。
ストラヴィンスキーは、大変鋭い耳をしていて、
驚くようなセンスのいい不協和音があり、それがこういったスタイルの決め手です。
しかし、これはまねしたくてもできるようなものでありません。
なのでこの曲は響きが凡庸です。
こういった意味で、このスタイルで書くことは二度とないと思います。
演奏の手引き
奇数拍のリズムが繰り返され、フレーズ開始に収斂する部分があります。
こういったリズムを生かすためには、一定のテンポが必要ですので
テンポが揺れないように気をつけてください。
また音が多いところは、ペダルは控えめにしてください。
作品データ
1988年 作曲 2014年 改訂
ストラヴィンスキーばかりを聴いていた時期(1983-84年)があって
その時に書いたものを3楽章編成の2台ピアノに直したのが1988年です。
2台ピアノは弾ける機会がかぎられますから、
今回、連弾用に手直ししました。