シャコンヌ(chaconne)
バッハの無伴奏ヴァイオリン曲を編曲してみました。
楽器を想定せず(一応チェンバロ2台)、3段のスケッチ譜で書いています。
スケッチをもとにオルガン独奏とオーケストラに編曲しました。
ところどころで様式外れや禁則(連続)などもがありますが、
なるべく様式を守り、かつ、聴いて面白いものを目指しました。
どのようなものであっても、編曲は技術的にためになりますので、お勧めの勉強法です。
バッハ自身も若い頃、ヴィヴァルディを編曲して勉強したそうですし、
名曲を選べば、その詳細を知ることも出来ます。
普通はクラッシックの名曲を編曲しようとは思いませんが、
バッハの無伴奏ヴァイオリン曲は、音の薄いところがあるので、編曲向きです。
Bachを編曲するときの技術点をまとめておきます。
- 1つの声部(旋律)が多声部をまとめた形の場合がある。
無伴奏ヴァイオリンの一声部分とか、フランス組曲など多くには、
こういう形の旋律(折れ曲がった線)が多く出てきますので、そこは声部分割できます。
さらには、単純な下降音階などでも声部分割でき、オルガン曲などでは、
バッハ自身が分割しているところもたくさん見られます。
分割したら、声部をオクターブ変更したりもできます。
編曲で分割するかしないかは、もちろん自由ですが、アイデアに行き詰ったときなど、
分割してみると厚みがでてアイデアがわきます。また譜面(フヅラ)もかっこよくなります。
ちなみに、分割は出来るだけ弱拍で切るようにするといいでしょう。
(例えばドシラソなら、ド+シラソなどに分ける)
- 多声部をまとめる
上とは逆に多声部を1声にまとめることも出来ます。
これは、もともとのバッハの声部をまとめるのではなくて、
編曲で追加した何声かを、1声にまとめるという意味です。
ただ、普通は完全には1つにまとめられないので、補助の声部(バスなど)
が必要になります。うまくいくとバッハらしい折れ曲がった線が得られます。
- 模倣を検討する
バッハは、模倣を(走句のようなものでも)多用します。
完全なものでなくてよいので、声部の入りだけでも摸倣すると感じが出ます。
- 禁則等にこだわらない
連続とかばかりというのは良くないですが、
そもそもバッハの様式で書ける訳はないので、
禁則とか様式にあまりこだわらないほうが、個性がでると思います。
オルガン独奏用(PDF) 音源(mp3)
音源では、オルガンのストップ変更ができなかったので、
つねに4+16フィートで鳴っています。
音源つくるときに、どのオクターブなのか大変混乱しました。
そのため、オクターブ(とくにBase)が間違っているかもしれません。
スケッチスコア(PDF)
音源(mp3)
15分にもおよぶ大曲で,本当の意味での名曲です。
ギターからオーケストラまで、たくさんの編曲があります。
ここではF-mollに移調して、編曲しています。
(無伴奏ヴァイオリンパルティータ2番より)
スコア(PDF) 音源(mp3)
ヴァイオリン一艇での驚異のフーガです。
これを書いたのが30代というのもびっくりです。まさに神がかってます。
これにはリュート(BWV1000)やオルガン(BWV539)のBachの編曲もあるようです。
(弾いてみると原作ほど良くなくて、偽作のような感じがしますが?)
ここではC-mollに移調して、編曲しています。
ただ、編曲したら一人で弾けなくなってしまい、
原曲が台無しになったような感じもあります。
(無伴奏ヴァイオリンソナタ1番より。)