学習フーガ
学習フーガは、形式が決まっている実習・教育用のフーガです。
フーガというのは、バッハのものでさえ、どこを聴いたらいいのか
分からなくなる(「フォーカスを失う」)のが普通です。
学習フーガともなれば、なおさらこの傾向が強くなり、
楽譜を見ていないとすぐに”ボーっと”して、わからなくなります。
なので、楽譜を見ながらの視聴をお勧めします。
なお音源は、テンポのみを編集していて、テーマの強調などは一切していません。
(アーテュキレーションは編集しました。)
作者:島岡 譲
楽譜(PDF)
音源(mp3)
このフーガは「フーガの実習」(島岡 譲 著)という本の作例となっているものです。
様式が統一されていて、響きがとてもきれいです。 まさしく学習フーガのお手本といえます。
作者:中村佐和子 編:島岡 譲
楽譜(PDF)
音源(mp3)
「フーガの作例」という「フーガの実習」の姉妹編にあたる本に含まれるものです。
声部の動かし方が巧みで、綺麗な配置で和音が鳴っています。
ただ、各声部が休みなく動き続けるため、すぐに「フォーカス」を失います。
凝った模倣が目立たずにすこし残念です。
大胆に休符をいれたほうがいいような感じがします。
同上:声部省略バージョン
楽譜(PDF)
音源(mp3)
上のフーガに大胆な休みを入れ、形式や模倣が聴き取り易くしました。
鳴りが地味になってしまい、4声をしっかり聴ける人には不評かもしれませんが、
「学習フーガ」の目的は、「形式感を養うこと」にあると感じます。
作者:M.ラヴェル
楽譜(PDF)
音源(mp3)
全体的に音域が高く、明るくすっきりした響きになっています。
(少し高すぎるような気もします)
自作(a moll)
楽譜(PDF)
音源(mp3)
弦楽版(mp3) 小林建樹 <== こちらがおすすめ
和声付を変えたりして、なるべく「フォーカスを失わないように」に実施したものです。
そもそも、流れるようなフーガらしいフーガは書けないので、
ごつごつした、妙なものになっているかもしれません。
ただ、一人で鍵盤で弾けるように作ってあります。
弦楽版の音源を作ってくれた小林建樹さん、ありがとうございます。
自作(C dur)
楽譜(PDF)
音源(mp3)
配置が極端で、響きが良くありません。(それで一人で弾くことはできません。)
ただ、この配置の悪さが(密集していないので),
逆に各声部が聴こえやすい効果を生んでいるような気がします。
あとは、「各声部に休みがない」という学習フーガのパターンに陥ってます。